もっと深くより専門的な勉強をすることが求められています
これまでの大学院は、大学の延長というイメージが強くありました。
しかし現在では企業の国際化や複雑化に伴い、既存の学問系統や分野を超えた研究が求められ、大学よりもっと深くより専門的な勉強をすることが求められています。
また、従来のような研究者の養成を目的とした大学院ばかりではなく、現代のニーズを受けて専門性の高い「職業人」を育てるための専門職大学院も開設されてきています。
他にも社会人を再教育するためや、また社会人が現職のまま学べるよう開講時間を配慮している大学院、大学という下部組織を持たない「独立大学院」、複数の大学が提携して組織する「連合大学院」などがあります。
大学院には修士課程と博士課程があり、募集は、それぞれ課程別に行われます。
修士課程は標準修業年限が2年、博士課程は5年(医学、歯学、獣医学は4年)となっています。
ただし、博士課程は、区分制博士課程と5年一貫の博士課程に分けることができます。
区分制博士課程は前期2年と後期3年に分けられ、前期課程は修士課程と同様に扱われます。
一般的に、7月~10月にかけて1回、年が明けて2~3月に1回というように、年2回の入試を実施する研究科が多いようです。
また、第1次募集で定員に達すると、第2次募集を行わない研究科もありますので注意が必要です。
編入学では、内部・外部生で試験日程を別に定めている大学が多いですが、院試では区別なく同じ日程で行うところが大半です。
大学院によって試験日程は様々ですので、募集要項を取り寄せるなどして確認しておくようにしましょう。
また、日程が異なるということは複数校受験が可能ということですので、何校か志望校を決めておいて下さい。
出願資格については各研究科の募集要項を見ていただく必要があるのですが、最も一般的な出願資格は次の通りです。
この他に、専攻によっては特定の免許取得を出願条件に加える場合もあります。
また社会人入試の場合、職歴や大学卒業後の年数、入学時の年齢などを定めていたりすることもあります。
自分が志望大学の出願資格を満たしているかどうか、志望校に向けた勉強をする前に確認しておきましょう。
定員については各大学院、研究科によって本当に様々です。
一般的に、どの研究科でも学部よりはだいぶ少なくなっています。
また、設けている定員数だけ合格者をだすかといえば、そうではありません。
受験者の全てが合格ラインに満たなければ全員不合格ということもありますし、優秀な人が多ければ定員数以上に合格となる場合もあります。
大学院入試の過去の入試データを参考にしてみて下さい。
学内進学とは学内の4年生を対象としたもので、実施内容の詳細は各大学院によって異なります。
一般的に外部入試より簡単だといわれていますので、同一大学内で学部から大学院への進学を希望する人には有利となっています。
入試内容は筆記試験を課す大学院もありますし、「学部での成績が平均以上であること」や「3回生までにある程度単位を取っていること」といった条件をクリアしていれば、面接試験だけで進学できるというところもあります。
また、出願前に進学希望者が提出した推薦書や研究計画書などをもとに、進学希望先の研究科担当教員による事前審査を行う大学院もあります。
社会人入試とは社会人のために特別に設けられている入試制度です。
一般入試とは別に、募集定員や試験日程を独自に定めているところもあります。
また、出願資格や出願書類に関しても社会人入試のみ追加されるものもあります。
試験では、一般入試に見られる専門科目や外国語が課されない場合もあり、小論文と面接だけといったところもあるようです。
また、面接に先立って業績報告書や職務経歴書、研究計画書の提出を求められることもあります。
単なる学力よりも、社会で得た経験や問題意識といったものを見たいという気持ちが大学院側にはあるようです。
とはいえ、小論文や研究計画書を課される場合、基本的な文章能力や入学後の研究に堪えうる知識があるか、さらには研究者としての資質までをも試されることになりますので、しっかりと対策する必要があります。