受験から入学までの期間は意外に重要
大学院受験後から入学までの期間は意外に重要なものです。
大学院で研究を行うために必要な学力と、大学院入試に必要な学力には大きな隔たりがあります。
「学部での勉強と修士課程での勉強は全然違う。あいだにもう一つ学校に行きたい。」と表現する人もいるほどです。
この期間にどれだけの準備をしたかで、その後の大学院生活が大きく変わってきますし、また逆に、準備を怠ると進学後に大変苦労します。
進学後に取り組む研究については研究計画書などでもう一度振り返り、専門書や論文などに目を通しておくのも良いでしょう。
修士課程(博士前期課程)の修了の要件は、「大学院に2年以上在学し、終了に必要な単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、当該大学院の行う修士論文の審査及び試験に合格することとする。
ただし、在学期間に関しては、優れた業績を上げたものについては、大学院に1年以上在学すれば足りるものとする」とされています。
また、修士論文の審査に代え、特定の課題についての研究成果の審査を修了方法とすることも認められています。
修了すれば「修士」の学位が取得できます。
大学院には修士課程と博士課程があります。
修士課程は標準修業年限が2年、博士課程は5年(医学、歯学、獣医学は4年)となっています。
ただし博士課程は、区分制博士課程と5年一貫の博士課程に分けることができ、区分制博士課程は前期2年と後期3年に分けられ、前期2年は、修士課程と同様に取り扱われます。
また、前期課程が存在せず、後期3年のみの博士課程もあります。
修士課程(博士前期課程)終了後の進路は、就職か博士課程(博士後期課程)への進学かの大きく2つに分かれます。
大学院の整備・充実が昨今急速に進められているのには、高度に専門化された人間、すなわちプロフェッショナルに対する企業や社会の要請があるという背景があります。
よって大学院にいったからといって研究者の道しかないということはなく、院生でも十分就職することはできます。
またその他にも、法科大学院や臨床心理士の受験資格、税理士試験の科目の免除、日本版MBAの取得などの目的のために大学院へ行くということもあるでしょう。
『就職のため』の大学院進学の代表的なパターンとしては、シンクタンクや経済研究所などへの就職のため、国際公務員になるためなどが挙げられます。
しかしながら、企業は院生に対し当然大卒以上の能力や専門知識を求めています。
つまり、企業が必要とする力量を有していなければ、採用してもらえないということになりかねません。
すなわち学部生と同じように、熱心に就職活動に取り組む必要があります。
ですから、「就職するために大学院へ進学する」のではなく、「大学院で研究したことを活かすにはどこへ就職するべきか」という考え方を持って、大学院での研究生活を過ごしてください。
博士課程に進学するということは、修士課程以上に専門性を高めるということです。
修士課程は研究者の道以外を目的とする場合も多いですが、博士課程への進学は研究者への道を歩むことになるのだと心しておいて下さい。
博士課程(博士後期課程)への出願資格はだいだい以下のようになります。
※は、「大学を卒業後、2年以上研究に従事し、修士の学位を有する者と同等以上の学力があると認められた者」、つまり、研究実績が認められれば、修士課程(博士前期課程)を修了していなくても、博士課程(博士後期課程)への出願が可能ということを指します。
博士課程(博士後期課程)の終了の要件については、「大学院に5年(修士課程修了者は2年の在学期間を含む)以上在学し、終了に必要な単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、当該大学院の行う博士論文の審査及び試験に合格すること」となっています。
博士論文が認証されれば、「博士」の学位が与えられます。
ちなみに大学院に行かなくても、論文が認められれば博士の学位が授与される制度もあります。