勉強方法

■語学

大学院入試では、大学入試のように細かい単語・文法知識などが問われることはまずありません。

大学側としては、入学後に海外の論文が読めるかどうかを試したいわけですから、長文が与えられ、全文訳・下線部訳・大意要約などを問われる読解試験が基本になります。
しかし、英作文やリスニングを課すところもありますので、注意が必要です。

大学院の外国語試験対策のポイントとして、「専門用語」の学習が挙げられます。

語学が得意な人でも、専門用語の知識がなくては専門論文を読んで訳すことはできません。
そこで専門用語の勉強は、語学の試験対策上必須となります。
また、大学院ごとに試験問題の傾向が異なりますので、過去問題を入手して実際に解いてみましょう。

専門用語の対策をしてくれる予備校もあるので活用して下さい。
しかし語学については、今までの勉強法でコツコツというのが最も近道です。

過去問題などを見てみると、和訳はほぼ全ての大学院で課されているため、「速読」の技術に加えて「精読」の技術が要求されているといえるでしょう。

しっかりとした、そして点をもらえる和訳を作るためには、「語彙力」、「文法力」、「読解力」の三つの能力を養う必要があります。

●語彙力

やはり単語や熟語を知らないと、文章は読めません。
したがって訳も書けません。

辞書持込み可の大学も多くありますが、いちいち全ての単語をひいていると時間がなくなってしまいます。
ですから、ある程度の語彙を持っておく必要があります。

勉強法としては、単語帳、熟語帳を使うということが、めんどうかもしれませんが最も近道です。

基本的な単語については、大学受験用の応用編くらいのもので十分ですし、何冊も買い込む必要もありません。

自分が使っているものを一冊しっかり覚えるというのが重要です。

専門用語についても別に単語帳を用意するなどして、あらかじめ覚えておくことが必要です。

●文法力

文法力とは、一文一文の構造を読み解く力のことです。

文構造に忠実でない訳には、たいていの場合、点数は与えられません。
なので、得点に直結する重要な能力といえるでしょう。
これも大学受験のテキストや問題集で十分対応できます。

●読解力

「読解力」といっても何を具体的にやればいいか分からないと思う人も多いでしょう。

読解力とは、一文一文の意味をとり、文章全体で何が書かれているのかを理解する力のことです。
つまり、「語学学習の総決算」のようなもので、突然身につくものではありません。
しかし、読解力がなければ文脈の流れに沿った自然な訳は作れません。

色々な勉強法があると思いますが、語学に全く自信のない人は、文法でまずしっかりと基礎を固めて、その後実際の長文に少しずつ触れて慣れていく、その間単語帳は別でしっかりとやっていく、というのが読解力を高める最もよい方法のように思います。

読解力とは「いかに慣れているか」です。
ですから、長文をたくさん読んで、しっかり考えていけば身につく能力です。

■専門科目

専門科目は「~について述べよ」、「~について論ぜよ」といった論述問題や、専門用語の説明を数百字程度で解答する問題が多いようです。
しかし、大学入試のような客観性の高い出題をする大学院もあるので、まずは過去問題等を取り寄せて試験の傾向を知ることが重要です。

専門科目の論述対策としては、問題集を解いたり、過去問題を解いたりするなどして、実際に答案を作成してみることが重要です。

大学の定期試験等で論述形式の問題を解いたことがある人は分かると思いますが、初めのうちは、いきなり書こうとしてもなかなか論理的でよい文章を書くことは難しいものです。
そこで、最初は短くても構わないので、とにかく答案を作ってみましょう。
そして、徐々に字数を増やして最終的には1000字程度の論文答案が書けるように練習してください。

自分で書き上げた答案については、専門的な知識のある人に添削してもらうのが良いと思います。

特に専門科目においては、どれぐらい書けているのか自分ではなかなか判断できません。
身近にそういった人がいれば良いのですが、そうでない場合は予備校を利用してみるのもよいでしょう。

■研究計画書

研究計画書は大学院に入ってから研究するテーマおよび研究内容の概要をまとめたものです。

大学側は研究計画書によって、今までどの程度勉強してきたか、また、研究に対する熱意や論理力・文章構成力などさまざまな能力を判断しますので、力を入れて作成しましょう。

研究計画書を実際に書く際は、研究のテーマ、研究の動機、目的、方法、内容をまとめ、最後に参考文献を載せるのが一般的です。

大学の指導教官や実際に研究計画書を書いたことのある大学院生などに一度目を通してもらい、アドバイスを受けることをお勧めします。
ただ、ここで注意して欲しいのは、今までどのようなことを勉強し、その上でさらにどのようなことを研究したいのかが重要なのであって、これから新たに研究したいことではないということです。

研究計画書を書く上でのポイントとしては、

  • 具体的かつできるだけ範囲の狭いテーマを選択。(一般論、抽象論、総論は不要)
  • 研究したい問題に関連する著書および論文を収集し、多くの文献資料にあたる。
  • 現在の理論や学説の要約。そしてその問題点の指摘。
  • 自分の研究意義。(研究テーマ・目的・方法・内容)

■面接・口述

面接試験は、口述試験も兼ねている場合が多いので、専門に関することを聞かれたら必ず答えられるようにしておきましょう。
そのためには専門書を読んで自分なりにまとめておいたり、専門用語の説明ができるように用意しておく必要があります。

他学部からの受験の人は大変でしょうが、入学してから困らないように、きちんと対策をしておいて下さい。
さらに、ほとんどの大学院で志望理由について聞かれますので、しっかりと自分の中で用意しておいて下さい。
また、出願書類の中に「研究計画書」がある場合、その内容についてはかなり突っ込んだ質問を受けることが多いようです。

作成した研究計画書については、必ず自分用にもう1部用意しておき、どんな角度から質問を受けても確実に答えられるよう、想定問答を準備しておきましょう。

研究計画書は一度専門知識のある人に目を通してもらい、その内容からどんな質問が想定されるかアドバイスを受けてるのもよいでしょう。

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